新型コロナウイルスの感染拡大が、大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想にも影響を及ぼし始めた。11月1日にも想定される住民投票に向け、大阪府市の法定協議会で4月からの開催を予定していた市民向けの制度説明会「出前協議会」も延期論が浮上。都構想実現を目指す大阪維新の会は戦略の練り直しを余儀なくされている。ある維新議員は「いつまで続くのか、先が読めない」と頭を抱えた。
■党大会が開けず
22日、大阪市内の維新本部では、国政政党の日本維新の会の常任役員会が開かれ、都構想は党公約の「一丁目一番地」だと改めて強調、賛成多数の獲得に全力を挙げるとする新年度の活動方針が決定された。代表の松井一郎・大阪市長は終了後、記者団に対し「新型コロナウイルスの影響がどうなるか分からないが、都構想はスケジュール通りに進めたい」とし、11月1日にも住民投票を行う予定は変わらないとした。
活動方針は本来、国会議員や地方議員ら約450人が集結する党大会で議決されるが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため中止。ある維新議員は「今年の党大会では、住民投票までの具体的戦略を党内で共有するはずだった」と明かす。