河井前法相、現金手渡しか 妻・案里氏陣営スタッフに… 地検立件視野






 自民党の河井案里(あんり)参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年の参院選をめぐる公選法違反事件で、夫で前法相の克行衆院議員(57)=自民、広島3区=が後援会幹部ら複数の陣営スタッフに現金を手渡していた疑いのあることが23日、関係者への取材で分かった。公選法では、選挙運動をする人は原則ボランティアで、車上運動員などを除く運動員への報酬は禁じられている。広島地検は同法違反(買収)の疑いもあるとみて克行氏の立件も視野に捜査している。

 また、車上運動員14人に法定上限の日当1万5千円を超える報酬を支払ったとして公選法違反の疑いで逮捕した案里氏の公設秘書、立道(たてみち)浩容疑者(54)ら3人について、地検は勾留期限の24日に刑事処分を決める見通し。立道容疑者らを起訴するほか、案里氏に対する連座制適用に向け、迅速に審理する「百日裁判」を申し立てる方向で検討しているとみられる。

 関係者によると、参院選では案里氏陣営のスタッフとして県議OBや克行氏の後援会幹部らが選挙運動に参加。このうち少なくとも、複数人が克行氏から数万~十数万円程度の現金を手渡されるなどしたという。ただ、買収として立件するには現金が選挙運動の対価といえるか見極める必要があり、地検は慎重に捜査しているもようだ。

 また陣営関係者の男性会社員が96万円を受領し、「違法性の認識があった」と地検に説明していることもすでに判明。ただ男性会社員は当時、案里氏が代表を務める自民党広島県参議院選挙区第7支部に雇用されていたとみられ、買収とみなせるかは微妙だ。

 地検はこれまで夫妻を複数回、任意聴取。今回の疑惑についても事情を聴いたもようだ。今後も任意で捜査を続けるとみられる。



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