戦後初の国産旅客機YS11の量産初号機が28日、羽田空港(東京都大田区)から、一般公開される茨城県筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に陸送された。胴体や主翼を載せた大型トレーラーが、未明の東京都心をゆっくりと走り抜けた。
垂直尾翼などほかの部品は搬送済みで、パークに新設された「格納庫」で、今後数カ月かけて組み立て直される。
国立科学博物館(科博、東京)が羽田空港の格納庫で保管してきた量産初号機は、昭和40年に運輸省(現国土交通省)に納入され、退役した平成10年まで空路の安全性を確認する「飛行検査機」として活躍した。羽田の格納庫では人目に触れる機会が少ないことなどから科博が移設を検討、ザ・ヒロサワ・シティが受け入れることになった。
胴体を載せたトレーラーは28日午前0時ごろに羽田空港を出発。品川や上野など都心部を慎重に進み、約5時間かけて約120キロを走り、筑西市に到着した。