日銀、金融機関の一時的な財務悪化も取引継続　貸し渋り防止へ

　日本銀行は３０日、民間金融機関の財務が悪化して一時的に自己資本規制などの要件を満たさなくなっても、取引を継続すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業の資金繰りが厳しくなる中、金融機関が財務を理由に企業への“貸し渋り”に動く行為を防ぐ。

　日銀はもともと財務の健全性を示す自己資本比率などで、定められた水準を一時的に満たさなくても、着実に財務が改善されると判断した場合には、金融機関との取引を継続していた。今回、新型コロナの感染拡大に伴い、「こうした扱いを改めて確認する」と公表することで、金融機関による企業の資金繰り支援を後押しする狙いだ。

　日銀は当座預金を通じて金融機関の資金を預かったり、貸し出したりといった取引をしている。ただ、取引の要件として、国際的なルールに基づき、一定の自己資本比率の維持などを求めている。