新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期となった東京五輪・パラリンピックの新たな日程について、日本政府、大会組織委員会、東京都は30日、国際オリンピック委員会(IOC)との間で五輪を来年7月23日開幕、8月8日閉幕とすることで合意した。IOCは、その後の臨時理事会で日程を承認した。
従来の日程とほぼ同時期とすることで、運営計画を見直す際の負担を最小限に抑える。ウイルスの世界的な感染拡大はまだ収束が見通せず、できるだけ開幕を遅らせることでリスクを下げる狙いもある。
近年の五輪は金曜日に開幕し、16日後の日曜日まで開催されるのが通例。来夏の大会も同じ流れになる。
国際競技連盟(IF)などからは暑さを避けるため、春から初夏までの間に開催を求める声もあった。政府や都などは開催準備期間を長く確保するため、ほぼ1年延期が妥当と判断した。アスリートの準備期間も考慮した。
従来の計画では、開会式の2日前に福島県でソフトボールが始まる日程が組まれていた。組織委の武藤敏郎事務総長は「大きく変える予定はない」と述べ、札幌開催となったマラソン・競歩について、東京都の小池百合子知事は「そのまま札幌ということになるのではないか」との認識を示した。
今年8月25日に開幕が予定されていたパラリンピックも、来年8月24日開幕、9月5日閉幕に変更された。組織委などは新たな日程のもとで、会場確保や宿泊施設の手配など具体的な準備を進める。
組織委の森喜朗会長は「早期の決定は、今後の準備を加速させると確信している」と期待感を示した。