大阪府警は1日、門真市の門真運転免許試験場内に「高齢運転者等支援室」を新設した。府警の警察官や職員29人が高齢ドライバーの事故防止や高齢者講習の受講支援などを行う。初日のこの日は、大原克則交通部長が「みなさんの働きが高齢運転者の安全を大きく左右する」と訓示した。
交通事故の中で高齢ドライバーの事故が占める割合は年々増加。昨年4月には東京・池袋で80代の男の車が通行人らを次々とはねて母子を死亡させるなど、重大な事故も相次ぐ。大阪府でも75歳以上のドライバーは令和7年に現在の約2倍の49万人にまで増えることが予測されており、対策が急務になっている。
一方、免許更新では70歳以上が高齢者講習、75歳以上は認知機能検査と講習の受講が義務付けられているが、現状では府内で両方を受けるには約2カ月待ちとなる。このため、府警は今月から実施場所を府内38教習所に加え、門真市と和泉市にある2カ所の運転免許試験場に拡大。申し込みがあれば同支援室が受講を調整するという。
さらに、安全運転指導や自動ブレーキなどを搭載した「安全運転サポート車」の普及、免許の自主返納者への支援なども強化していくといい、水代(みずしろ)智室長は「事故を1件でも減らし、被害者も加害者も作らないように取り組みを進めていく」と話した。