1日に新年度が始まったが、各地の信用保証協会の窓口には金融機関の担当者による審査の申し込みが殺到している。例年、年度末を越えると、窓口の混雑がいったん落ち着くが、新型コロナウイルスの感染拡大により、政府系金融機関による無利子・無担保の緊急融資を考える中小企業が急増。窓口では4月以降も職員の数を増やして対応している。
東京都の千代田、中央、港の都心3区と島しょ部を受け持つ東京信用保証協会の八重洲支店の窓口には、1日に入っても企業からの相談を受けた金融機関の担当者が次々と訪れ、審査に関する申込書類を提出していた。
同支店では通常、月に1500件程度の審査の申し込みが寄せられるが、今年は3月以降、連日200件を超える申し込みが寄せられている。八重洲支店の岡本正司支店長は「年度が明けても一服感が全くない」と話す。この支店では3月から審査業務にあたる人員を通常の50人体制から15人増やした。
年度末で当座の資金繰りを乗り切った中小企業もあるが、売上高の減少が続くなかでも経費はかかるため、新型コロナウイルスの感染拡大による経済混乱が続けば、資金繰りが一層厳しくなる。土地や建物などの固定資産が乏しい中小企業が新規の融資を得るには、信用保証協会による審査が必要なケースがほとんどだ。