ツイッターで知り合った女性の依頼を受け、東京・池袋のホテルでこの女性を殺害したとして、嘱託殺人罪に問われた元大学生、北島瑞樹被告(22)の判決公判が6日、東京地裁で開かれた。井下田英樹裁判長は「命の価値を軽視する反社会的な犯行」として、懲役5年(求刑懲役7年)を言い渡した。
北島被告は公判で「自殺志願者の自殺を手伝うことで役に立ちたかった」などと釈明したが、判決は「被害者の事情を深く知りもせず軽々しく自殺に関与することが人助けであるはずはない」と指摘。「女性の両親は、女性を支えて生きようとしていた。悪質性が高く、実刑は免れない」とした。
井下田裁判長は判決言い渡し後、「当たり前すぎるが」と前置きして「命の大切さや重みを改めて考えてほしい」と説諭。「被害者の未来の可能性や家族の愛情を考えると、本気で依頼されても殺害するべきでない。贖罪(しょくざい)に何をすべきか、生きて真剣に考えてほしい」と述べた。
判決によると、北島被告はツイッターで女性から殺害を依頼され、昨年9月12日、ホテルで首を絞めて殺害した。北島被告は自殺を手伝うとのメッセージを複数人に送っていた。