【ロシアを読む】「ソ連時代に戻ったよう」 外出制限で人も渋滞も消え…

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普段は露国内外からの観光客でにぎわうモスクワの「赤の広場」も、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限で人の姿が消えた=2020年4月1日(小野田雄一撮影)
普段は露国内外からの観光客でにぎわうモスクワの「赤の広場」も、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限で人の姿が消えた=2020年4月1日(小野田雄一撮影)
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 新型コロナウイルスの感染予防のため、3月30日から全市民を対象とした外出制限を導入したロシアの首都モスクワ。多くの飲食店が一時休業に入ったほか、「赤の広場」など有名観光地からは人の姿が消え、街には警察官の姿ばかりが目立つ。モスクワの悪名高い“名物”だった交通渋滞も消えた。数少ない通行人らからは「こんな光景を見るのは初めて」「まるでソ連時代に戻ったようだ」との声が聞こえてきた。(モスクワ 小野田雄一)

警察官に呼び止められ

 4月1日午前、外出制限取材のために「赤の広場」をタクシーで訪れた。モスクワではこの日の時点で、タクシーでの移動や不可欠な仕事上の移動は認められており、外出制限には抵触しないと判断した。

 赤の広場は露大統領府が所在する宮殿クレムリンや聖ワシリー寺院、著名なグム百貨店などに隣接し、普段であれば年間を通してロシア国内外からの観光客でごった返しているが、外国人の入国が禁止され、外出制限も出されたこの日はほとんど人がいない。目立つのは警察官と、この機を逃すまいと石畳を補修する作業員の姿ばかりだ。

 広場の中心部からタブレット端末で四方の写真を撮っていた会社員のパブロフさん(47)は「たまたま仕事で通りかかったから写真を撮っていたんだ」と“言い訳”(?)。その上で「赤の広場に誰もいない。こんな光景を見るのは生まれて初めてだ」と驚きが消えない様子だった。

 記者が赤の広場の写真を撮っていると、近づいてきた男性警察官に「何をしていますか」と呼び止められた。「日本の新聞記者で、写真を撮っている」と説明すると、警察官は「記者ですか…」と複雑な表情。その後、「ごらんください。誰も外出していない。理解してください」と言われた。トラブルになる前に立ち去ることにした。

 赤の広場から出て路地裏に向かうと、建物の死角に隠れるようにして多くのハトに囲まれている男性がいた。年金生活者のイリエフスキーさん(67)で、「街に人がいないので、ハトが飢えていると思ってエサをあげている」とのことだった。

補償を心配する声

 赤の広場周辺には飲食店が軒を連ねている。しかし、どの店のドアにも「自主隔離措置のために一時的に休業します」との紙が張り出されていた。

 そこからタクシーを拾った。記者はこの日、念のために新型コロナウイルスの感染検査を予約しており、検査機関に向かうためだった。

 タクシー運転手のペトロフさん(57)に利用者は減っているか尋ねると、「もちろん減っている。死活問題だ。金銭的な補償がなされるのかよく分からないので、働いている」と心配を明かしてくれた。

 タクシーに乗ってすぐに気付いたのは、車が普段の10分の1以下の台数しか走っておらず、スイスイと進むことだ。モスクワは日本の大都市ほどには地下鉄が便利に張りめぐらされておらず、車で移動する人が多い。そのため中心部周辺は一日中渋滞しているのが日常だったので、快適さよりむしろ戸惑いを覚えた。

 交通情報アプリを開くと、普段は渋滞を示す赤色で埋め尽くされているモスクワ市内が緑色一色だ。

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