新型コロナウイルスの集団感染が確認された京都産業大(京都市北区)で、大学に誹謗(ひぼう)中傷の電話やメールがあったり、関係者や家族が日常生活で他人から差別的な扱いを受けたりしていることが7日、分かった。京産大の担当者は「感染拡大防止を最優先に考えて積極的に情報開示してきたが残念だ」としている。
京産大によると、初めて学生の感染を明らかにした翌日の3月30日~4月4日の間に、関連した問い合わせや相談が数百件あり、中には「感染した学生の住所を教えろ」「大学に火をつけるぞ」などの脅迫や「殺すぞ」といった殺害予告も含まれていたという。大学は「安全に関わる事態だ」として、刑事告訴も視野に対応を検討している。
このほか、飲食店が京産大生の入店を断る▽卒業生が入社式に個別で参加するよう求められる▽「感染の可能性がある」として、職員が子供の幼稚園への入園を拒まれる-などの被害が確認された。また、インターネット上でも感染者の特定や無関係の京産大生の名前を書き込み、感染者として非難するケースがあったという。
京産大は「本学学生が起点となった感染拡大は申し訳なく思い、感染された方の早期回復を願っている」としたうえで、「さらなる感染拡大防止のために誠心誠意に対応しているところなので、学生や教職員への誹謗中傷や不当な扱いは控えてほしい」としている。