【千夜一夜】名物が消えた街

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ピラミッドを訪れた観光客。マスク着用者がいない=3月8日、エジプト・ギザ(ロイター)
ピラミッドを訪れた観光客。マスク着用者がいない=3月8日、エジプト・ギザ(ロイター)

 「ステイ・ホーム」(家にいてください)。3月下旬から、携帯電話にこんなメッセージが表示されるようになった。エジプトではこの時期から、新型コロナウイルスの感染を封じ込めるために次々と大規模な対策が発表され始めた。

 夜間外出禁止令が発効する直前の3月25日午後7時前、首都カイロの大通りに出てみたら、人も車も姿を消して広告のネオンだけが点々と光っていた。クラクションと渋滞、騒がしい人々が名物のような街だから、やはり寂しくなった。

 街中では日を追うごとにマスク姿の人が増えているが、握手を交わしたり抱き合ってあいさつしたりする人も時折見かける。

 知り合いの邦人によると、社交の場であるシーシャ(水たばこ)を出す道端の喫茶店で、手袋をするほど用心していた男性が吸い口を変えずに友人とたばこを回しのみしていたという。「せっかく手袋をしているのに意味がない」と苦笑していた。

 モスク(イスラム教礼拝所)も使用できない異例ずくめの暮らしの中で、今月下旬には、日の出から日没まで飲食が禁じられるイスラム教のラマダン(断食月)が始まる。景気が冷え込んで家計が苦しい人も増えている。カイロの人々にとっては格別に厳しい1カ月になりそうだ。(佐藤貴生)

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