ユーロ圏、59兆円の経済対策で合意 「共同債」は見送り


 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)ユーロ圏財務相会合は9日、新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響が出ている経済への対策で計5千億ユーロ(約59兆円)の拠出に合意したと発表した。イタリアやスペインが求めていたユーロ圏共同債発行は、ドイツやオランダの反対で見送られた。

 同会合はテレビ会議で7日に始まり、論議は3日間に及んだ。ドイツのメルケル首相は9日、ベルリンでの記者会見で「債務を共有する状況にはなく、拒否する」と共同債に反対した。共同債はユーロ圏加盟国が共同で資金を調達して、被害の大きいイタリアやスペインに融資する仕組み。健全財政のドイツやオランダは負担の肩代わりを迫られるため、当初から難色を示していた。

 同会合の声明によると、加盟各国は欧州安定メカニズム(ESM)を使い、国内総生産(GDP)の2%の信用枠を申請できる制度で合意した。最大で計約2400億ユーロ(約28兆円)規模になるとしている。ESMは財政危機に陥った国を支援する枠組み。オランダは、ESMを使った無条件の経済支援に反対していた。



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