ジョンソン英首相が歩けるように　深刻な危機脱する

　【ロンドン＝板東和正】英首相官邸の報道官は１０日、新型コロナウイルスに感染して入院治療を受けているジョンソン英首相が、短い距離を歩けるようになったと発表した。「回復の初期段階」で治療は今後も続くが、深刻な危機は脱したとみられている。

　ジョンソン氏は３月２７日に先進７カ国（Ｇ７）の首脳として初めて自身の感染を公表し、その後、検査入院した。今月６日に容体が悪化して集中治療室に入ったが、９日に集中治療室から一般病棟に移っていた。

　ロイター通信によると、報道官は１０日、ジョンソン氏が一般病棟に移る際、医師らに感謝の意を伝え、手を振っていたと明かした。

　一方、報道官は、ジョンソン氏が公務に復帰できる時期について「医師らの助言に従う」と述べるにとどめた。ジョンソン氏が公務に戻るまで、ラーブ外相が首相の職務代行を務める方針だ。

　英政府は先月２３日に開始した外出制限について緩和するかどうかを近く検討する見通しで、ラーブ氏が閣内の意見を集約して決定を下す可能性もある。