栃木・足利 どうなる新たな市民会館 計画不透明で市民から意見相次ぐ





来年には栃木県に引き渡され解体される足利市民会館=足利市有楽町

 栃木県立足利、足利女子高校の統合、共学化に伴う新たな足利市民会館整備計画について、同市の実施したパブリックコメント(意見公募)には、市民から市の方針を疑問視する意見が寄せられている。市が公表した意見公募結果で判明した。現在の市民会館(同市有楽町)の解体準備が進む一方で、新市民会館整備計画の行方が不透明なことが背景にあるようだ。

 県教育委員会は令和4年度に両校を統合、共学化し、同6年度には同女子高敷地2・4ヘクタールに新校舎を整備する方針。この計画を受けて市は昨夏、魅力ある教育環境の創出を狙いに隣接する現在の市民会館がある土地(約1・4ヘクタール)を県に提供することを決めた。市民会館は来年、県に引き渡され、解体される予定だ。

 このため新たな市民会館の整備が急浮上。和泉聡市長は昨夏の記者会見で、既存の市民プラザ(同市朝倉町)敷地内に市民会館の機能を集約すると発表したが、市議会などが反発した。

 市総合政策部によると、現在、新たな市民会館の候補地として想定しているのは現市民会館周辺、市民プラザ、旧競馬場跡地(同市五十部町)の3カ所。今年度、新市民会館整備調査費330万円を計上し、用地選定などを急いでいる。

 市の公表した意見公募結果によると、新市民会館整備に関して複数の意見が出た。市民会館と市民プラザの集約については「市民会館大ホールの機能は市民プラザでは賄えない」「(同プラザ内の)障害者スポーツセンターを無くすことになる」「駐車場が不十分」など、市の方針に疑問を持つ意見が目立った。

 現在の市民会館は市内最大のホール(1452席)を有し、地方都市では珍しいNHK交響楽団の定期公演が開かれるなど文化の殿堂だが、築半世紀以上が経過し老朽化が進んでいた。ただ、市民プラザも築40年近くでホールは826席しかない。

 新たな市民会館整備には「数年程度はかかる」(市総合政策部)見通し。現在の市民会館の解体のみが先行する中で、代替施設の確保なども急務となっている。(川岸等)



Source link