百貨店やコンビニなど流通大手の令和2年2月期連結決算が13日、出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大による訪日客の激減で、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングと高島屋の百貨店2社はともに減益。政府の外出自粛要請で消費行動が変容する中、3年2月期は業績予想の開示の見送りや減益見込みがほとんどとなり、経営環境の厳しさが浮き彫りとなった。
高島屋が13日に発表した2年2月期決算は、売上高に当たる営業収益が前期比0・7%増の9190億円、営業利益が4・0%減の255億円だった。消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や暖冬による衣料品販売減で最大商戦期の初売りが不調。期待していた旧正月(春節)休暇も新型コロナが直撃し、免税売り上げを大幅に減らした。
電話会見した村田善郎社長は、外出自粛などを強いられたことなどで「(新型コロナの収束後は)家の中の娯楽シフトなど消費行動が精査されていく」と指摘。消費ニーズの変化で経営の先行きがより見通し難くなるとして3年2月期業績予想の発表を見送った。
一方、イオンは、2年2月期の連結営業利益が過去最高を更新したが、大型モールの営業自粛など新型コロナの影響を踏まえ、3年2月期は大幅な営業減益を見込む。
コンビニエンスストアは政府の緊急事態宣言後も営業を継続しビジネスモデルの強さを見せているが、営業時間の短縮などの影響もあり、不透明感は強い。