【ロンドン=板東和正】英国のラーブ外相は13日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために実施している外出制限について、今週中に緩和することはないとの考えを示した。英国で新型コロナの感染者数が増える中、外出制限の緩和は時期尚早と判断したとみられる。
英BBC放送によると、英国の新型コロナの感染者数は14日時点で、8万8千人を超える。死者数は1万1千人以上にのぼる。ラーブ氏は会見で「われわれは依然として、(感染の)ピークを過ぎていない」と強調。外出制限を早めに緩和することは、感染拡大の第二波を引き起こすリスクがあると述べた。
英政府は先月23日、外出制限を開始した。医薬品や食料品といった生活必需品の購入や、1日1回の運動、自宅ではできない必要な仕事などを除いて外出を禁止している。政府は今週、外出制限の効果を確認して緩和するかどうかを検討する会合を開催する方針だったが、ラーブ氏が会合前に緩和を否定した。
ラーブ氏は、新型コロナに感染して休養中のジョンソン首相が公務に戻るまで、首相の職務を代行している。