国連安全保障理事会は17日、北朝鮮制裁委員会の下で制裁違反を調べる専門家パネルが2月にまとめた年次報告書を公表した。北朝鮮が昨年1~8月、主に船から船に海上で移し替える「瀬取り」の手口で、主産品の石炭計約370万トン(推定3億7千万ドル=約400億円相当)を中国などに密輸出したと指摘した。
瀬取りは中国の寧波市や連雲港市の沖合などで多く実施。昨年10月10日付の寧波市沖の写真には北朝鮮籍とされる船8隻が写っている。ロイター通信は、中国が意図的に制裁履行を怠っているとの安保理外交筋の見方を伝えた。報告書は、北朝鮮が密輸出で獲得した外貨により核開発を続け「弾道ミサイルの開発を強化した」と指摘した。(共同)