【お金は知っている】コロナ戦争で正念場のトランプ政権 日欧は足並みそろえて中国と対峙できるか






 中国・武漢発の新型コロナウイルス感染者数もそれによる死者の数も米国は世界最大で、「元凶」中国をはるかにしのぎ、しかも増勢はおさまらない。トランプ米政権が習近平政権と中国寄りの世界保健機関(WHO)に対する怒りを募らせるのは無理もない。

 グラフはWHOのデータを元にしたコロナ感染者累積数の推移である。中国の感染者の急速な増加は3月以降止まっている。WHOは中国政府の報告を丸のみしているので、額面通りに受け取るわけにはいかないが、いくら習政権がごまかそうとしても、おびただしい数の感染者が発するうめき声を全面的に押し殺すことは不可能だろう。

 米国の感染爆発には戦慄を覚える。拡大速度は同じく医療崩壊状況にあるスペインやイタリアをはるかにしのいでいる。ちなみに日本も安倍晋三政権が4月7日に緊急事態を宣言したが12日時点の感染者数は米中に比べてはるかに少なく、爆発寸前にとどまっている。

 トランプ政権の対応は実のところ、日本に比べて遅かったわけではない。習政権が武漢など3都市を封鎖したのが1月23日で、トランプ政権は同31日に中国全土からの入国を禁止した。安倍首相は対照的に中国の春節に際して1月23日に「多くの中国の皆さまが訪日されることを楽しみにしています」との歓迎メッセージを発信した。

 韓国向けと合わせ入国制限に踏み切ったのは3月5日という遅さだった。同日の時点で感染者数は米国129人、日本317人だった。13日には米国でその10倍以上増えたのに対し、日本の感染者数は2倍強だった。同日、トランプ大統領は慌てて国家非常事態を宣言したが、ウイルスの増殖には無力のようだ。

 ワシントンは当然のように中国と、中国を擁護してきたWHO非難へと向かう。WHOは新型コロナウイルスを「COVID-19」と呼ぶのに対し、ポンペオ国務長官は「武漢ウイルス」「チャイニーズ・コロナウイルス」と呼ぶ。習政権は人種差別だと反発し、中国外務省の趙立堅副報道局長がツイッターで、「米軍が中国にウイルスを持ち込んだ」と騒いだ。よりにもよって外交当局者がデマ情報を流すことにはあきれるが、党中央の意向がすべてという全体主義の本性丸出しだ。

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