台風19号による災害の発生から半年がたちました。「復興はまだこれから」という中、新型コロナウイルスの感染拡大が、その道を阻んでいます。
ボランティアが活動できなかったり、中国から住宅用資材が届かなかったり…。さまざまな不都合が出ている中でも、特に深刻だと気付かされたのは、地域のコミュニケーションが失われていることです。
過日、被災地の取材に出向いた際、住民の姿があまりみられないことに驚かされました。長野市豊野の住民交流拠点では、感染予防のため人が集まれず、イベントを開けない状態でした。利用者の中には、被災した住宅の改修など、イベントの参加者と話し合いながら、自らの対応を決める人もいるそうです。「会話が失われることは、復興の妨げになる」。拠点の職員が口にした言葉が、胸に焼き付いています。
取材時にたまたまおられた利用者は「こういうときこそ、声を掛け合っていかないと」と話していました。まさに至言です。災害からの復興も感染症の収束も、互いに支え合う思いがある限り、必ず乗り越えられるはずです。