政府は24日、大型連休を前に、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向けた行動の徹底を呼びかけた。安倍晋三首相は人と人との接触機会の8割削減を重ねて求め、西村康稔経済再生担当相は労使団体に、より長い期間休日が続くことを念頭に、大型連休明けの5月7、8両日も休みを取ることを検討するよう、異例の要請を行った。
首相は政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、大型連休を前に「緊急事態を早期に収束させるため、今が非常に重要な時期だ」と強調した。
大型連休中は、家族が自宅ですごす機会が増え、DV(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待の増加も懸念されている。このため、首相は「家庭内での暴力の根絶や被害者の支援に政府を挙げての取り組みを強化していく必要がある」と指示。政府は、DVシェルターに身を寄せる女性に一律10万円の給付金を直接支給できるよう対応する。
首相は、医療機関で医療防護具が不足している状況を踏まえ、手術などで使うサージカルマスク1500万枚や医療用ガウン130万枚を月内に医療現場に配布することも表明した。
また、西村氏は経団連の中西宏明会長や連合の神津里季生会長らとテレビ会議を開き、5月7、8日も継続して休みを取ることを検討するよう要請した。同月9、10両日が土日にあたることから、要請に従えば同月2日から10日まで9連休が実現する。
ただ、多くの企業は大型連休後に3月期の通期決算の発表を予定する事情もあるため、経済団体側は対応を慎重に検討する構えだ。
一方、外務省は24日、ロシアやサウジアラビア、ペルーなど新たに14カ国に対する感染症危険情報を「レベル3」に引き上げ、渡航の中止を勧告した。政府は、入国申請日前の2週間以内に14カ国にいた外国人の入国を拒否する方針だ。