産経新聞社はFNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した第27回参院選の電話情勢調査(17日)に取材を加味し、20日投開票を控える終盤の戦況を探った。調査の結果、自民・公明両与党は、改選数3以上の激戦区を中心に苦戦を強いられており、参院全体の過半数維持に必要な50議席の獲得は困難な情勢だ。一方、国民民主党と参政党は支持を広げ、大幅な議席上積みが確実視されている。
主要政党の戦況と獲得議席予測
自民・公明両党の苦戦詳報
自民党は、候補者を2人擁立した東京、北海道、千葉などの選挙区で厳しい戦いを強いられている。前回の令和4年参院選では選挙区と比例代表を合わせて63議席を獲得したが、今回は比例も低調で、合計で30議席台にとどまる可能性も指摘されている。公明党も、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の各選挙区で当落線上の戦いを繰り広げており、改選14議席の維持は極めて難しい状況だ。石破茂首相(自民総裁)は、非改選議席を含めた与党の過半数維持を「必達目標」と位置付けているが、今回の改選で与党合計50議席の獲得は困難とみられ、目標を下回る公算が大きい。
伸長する野党勢力と議席目標
立憲民主党は、改選22議席からの積み増しが予測され、30議席台の獲得も視野に入った。改選4議席の国民民主党は、北海道、千葉、埼玉、神奈川、愛知などの選挙区で勝利の可能性が高く、目標とする16議席の達成も現実味を帯びている。改選1議席の参政党は、東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡など主要選挙区で議席獲得をうかがう。神谷宗幣代表は18日の街頭演説で、これまでの獲得目標を6議席から20議席に上方修正した。
参院選終盤の街頭演説で真剣に耳を傾ける有権者たち – 横浜市桜木町駅前
日本維新の会は、本拠地の大阪選挙区で擁立した2人の候補が揃って勝利する可能性が出てきたものの、改選6議席を全体で維持できるかは依然として不透明な情勢だ。
調査概要と今後の選挙動向
今回の情勢調査は、固定電話と携帯電話を合わせて1万1449人から回答を得て実施された。しかし、調査時点で態度を明確にしていない、あるいは未定の有権者も多く存在するため、投開票日までの残り数日で情勢が変動する可能性も十分に考えられる。
終わりに
第27回参院選は、与党が過半数維持に苦慮し、一部の野党が勢いを増すという、緊迫した終盤を迎えている。有権者の最終的な判断が、今後の日本の政治情勢を大きく左右することになるだろう。