乗客106人が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故から25日で15年となった。事故発生時刻に近い午前9時16分ごろ、事故が起きた兵庫県尼崎市の現場カーブを通過した宝塚発木津行き快速電車の車内では、犠牲者の冥福を祈る乗客の姿が見られた。
カーブを通過する直前、車内では「私たちはこの事故を心に刻み、安全運行に努め、改めてお客さまから安心してご利用いただけるよう全力を挙げて取り組んでまいります」とアナウンスが流れた。
電車内で乗客らは手を合わせたり、ハンカチで目をぬぐったりしながら犠牲者を悼んだ。事故当時は6歳だったという大阪市鶴見区の会社員の男性(21)は「当時ここまでひどいことが起きるのかとショックを受けたのを覚えている。周囲の同年代には事故を知らない人もおり、風化させてはいけないと思った」と話した。
例年は現場カーブにさしかかるときに追悼の警笛を鳴らしていたが、この日は鳴らさなかった。JR西日本は「周辺の厳粛な環境づくりのために取りやめた」と説明している。