英国で新型コロナウイルス対策に尽力する病院など医療界のため、40億円相当の寄付を集めた退役軍人の男性が4月30日、100歳の誕生日を迎えた。エリザベス女王やジョンソン首相が祝福し、空軍も自宅上空を儀礼飛行、国民を鼓舞する「英雄」を国を挙げて祝った。
男性は、南部ベッドフォードシャーのトム・ムーアさん。皮膚がんの治療を受けた恩返しとして、歩行器を押しながら、幅25メートルの自宅の庭を100往復すると宣言。国内外のメディアに取り上げられ、4月16日に達成すると、千ポンド(約13万円)が目標だった寄付の呼び掛けに支援が殺到した。
ムーアさんには女王からカードが届けられたほか、全国から約14万通のカードが送られ、孫の通う学校に展示された。国内の郵便にはここ数日、「英雄の誕生日を祝す」との消印が押され、ジョンソン氏も動画で「勇敢な努力」をたたえた。
ムーアさんは「素晴らしいことをしたと皆に言われるが、皆が私にしてくれたことこそが素晴らしい」と感謝を述べた。