英ロックバンド、クイーンのメンバーと米歌手、アダム・ランバートさんによるプロジェクトチーム「クイーン+(プラス)アダム・ランバート」は1日、クイーンのヒット曲「伝説のチャンピオン」の新録音版を「ユー・アー・ザ・チャンピオンズ」の題名で緊急発表した。インターネットを通じて得た収益を、国連財団などが設置した「WHOのための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金」に寄付する。
「伝説のチャンピオン」は1977年のヒット曲で、各種スポーツ大会の表彰式などで使われ勝利を高らかに歌い、今も親しまれている。原題は「ウィ・アー・ザ・チャンピオンズ」で「われわれがチャンピオンだ」と歌うが、今回は新型コロナウイルスの感染防止に尽力する医療従事者をたたえて、歌詞の一部を「あなたたちこそチャンピオンだ」に変えた。
新録音版はギター奏者のブライアン・メイさんが、ロックダウン中の英国の自宅でこの曲をギターで演奏する動画をSNSで公開し、「一緒に演奏して」と呼びかけたのがきっかけで生まれた。
メイさんに応えて、クイーンの同僚でドラム奏者、ロジャー・テイラーさん、ランバートさんが、それぞれ自宅でメイさんの動画に合わせて演奏し、歌う動画を公開。この際、ランバートさんが歌詞の一部を変えて歌った。話題になったことから演奏を整えて“新曲”として発表した。
音源のほかにミュージックビデオも制作し、どちらもインターネットの各種定額聴き放題サービスで視聴できるほか、ダウンロード販売もしている。
テイラーさんは、この新録音版の発表にあたり、自身が「医療の最前線で働く娘を持つ父親の一人」とした上で、「私たちみんなにとって、彼らは尊い存在。私たちにとっての真のチャンピオンなのです」というコメントを発表した。
クイーンは、73年にデビューした4人組ロックバンド。91年にボーカルのフレディ・マーキュリーさんが死去し、ベースのジョン・ディーコンさんは引退したが、メイさんとテイラーさんは他の歌手を迎えてクイーンの音楽を継承している。現在はランバートさんとチームを組み、今年1月には来日公演を行った。今年欧州で予定していた21公演は、新型コロナの影響で延期になった。
マーキュリーさんの半生を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が平成30年に公開されると大ヒットするなど、クイーンは日本でも根強い人気を誇る。