【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス対策で、イタリア全土で3月10日から続いていた都市封鎖が4日、緩和された。封鎖は欧州最長の約8週間に及んだ。製造業や建設業が操業を再開し、400万人が職場に復帰する見通し。
伊メディアによると、北部ロンバルディア州のミラノ駅では4日、100人近い行列ができ、当局が乗客の体温チェックを行った。
職場再開では、社員が1メートルの距離を置き、密集を避けることが条件。外出は仕事上必要な場合や家族との面会などに限られ、理由を示した自己宣誓書の携帯が義務付けられた。飲食店は当面、閉鎖が続く。コンテ首相は3日、「ウイルスと共生せねばならない」と述べ、国民に予防策を怠らないよう訴えた。
イタリアの新型コロナによる死者は2万8千人を超え、米国に次いで世界で2番目に多い。欧州ではスペインやベルギーも4日、都市封鎖の段階的解除に入った。