米上院がウイグル人権法案を可決 中国に圧力


 【ワシントン=黒瀬悦成】米上院本会議は14日、中国新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数民族ウイグル族を弾圧する中国当局に厳格な対応をとるようトランプ政権に求めるウイグル人権法案を全会一致で可決した。下院は昨年12月、同じ法案を407対1の圧倒的な賛成多数で可決済み。上院案は下院案を修正したことから下院で改めて可決し、トランプ大統領が署名すれば成立する。

 法案は、共和党の対中強硬派として知られるルビオ上院議員らが提出した。米政府に対し、自治区での人権侵害に関与した人物のリストを作成して議会に報告するよう求め、それらの人物に査証の発給停止や資産凍結などの制裁を科すことができるようにする。

 法案はまた、共産党政治局委員で、自治区の党委員会書記を務める陳全国氏と、党副書記だった朱海侖氏について、弾圧に直接関与したとして制裁対象に指定するよう求めた。

 法案はさらに、中国当局が少数民族の弾圧で使用している顔認証システムなどの先端技術を搭載した製品を中国に輸出するのを制限することも提案した。

 米国では、トランプ政権が中国政府による新型コロナウイルス感染をめぐる初動の対応が誤っていたとして責任追及の姿勢を強めているほか、議会でも新型コロナ問題に加え、中国による先端技術窃取や国内での人権抑圧に厳然と対処すべきだとする機運が超党派で盛り上がっている。



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