梶山弘志経済産業相と、日本商工会議所の三村明夫会頭、経団連の中西宏明会長らの経済団体幹部は18日、テレビ会議を開催し、新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を受け、大企業が中小企業との取引で不利益を押し付けることがないように適正化を図ることを確認した。大企業が適正取引に取り組む「パートナーシップ構築宣言」を、各社が8月までに表明することで合意した。
リーマン・ショックの際には、大企業が中小企業に対する取引条件を変更し、景気悪化のしわ寄せが中小企業に集中した。今回の会議は新型コロナの感染拡大に伴う景気悪化で、同様の事態が起きないように牽制(けんせい)するのが狙いだ。
梶山経産相は在宅勤務やテレワークが広がる中で、「取引先が連携することで、普及が遅れている中小企業のテレワーク導入や共通取引基盤の構築が必要だ」と、大企業の支援を求めた。
三村会頭は「国際競争力を高めるには大企業と中小企業が協力し、サプライチェーン全体での新たな共存共栄関係が必要」と強調。中西会長は「オープンで公平な関係構築に向けた宣言を急がなくてはいけない」とし、会員企業へ呼びかける考えを示した。