24日に投開票が行われる鹿沼市長選はいずれも無所属で、新人の元国会議員秘書、石下(いしげ)友彦氏(47)=自民、公明推薦=と、4選を目指す現職の佐藤信氏(73)の2氏が立候補している。候補者の横顔を紹介する。
「これほど多くの人に出会える仕事はない」。23年間務めた国会議員秘書の仕事を通じ、政治の世界の面白さを体感した。出馬のチャンスに迷うことはなく、裏方から表舞台へ打って出る覚悟を決めた。
高校卒業後、西川公也前衆院議員、上野通子参院議員に仕えた。郵政民営化や安保関連法案の審議など、国政の重要局面を経験。県内の各選挙でも票集めに奔走してきた。「中央との太いパイプと豊富な経験が強み」と自負する。
約30年住む鹿沼市の衰退を実感。状況を変えるべく、「攻めの姿勢が必要だ」と語気を強める。最優先に取り組むのは、昨年の台風19号被害からの復旧のスピード化。「まだ完了していないのはともかく、手を付けるのも遅すぎた」と現市政を批判し、県や国と密接に連携した対応を打ち出す。
公約のもう一つの柱は未来投資。小中学生の給食費半額補助、高校生までの医療費無料化といった政策で、人口減少対策や雇用創出を目指す。「他の街と同じことをしていてはだめ。現状維持は衰退と同じだ」と強調し、積極的な財政拠出を行う構えだ。
学生時代はサッカーに打ち込んだが、現在の趣味は「仕事」。「休みがないことを苦だと思ったこともない」という。妻、娘、息子の4人暮らし。