ソフトバンクG、最終赤字9615億円「今期ゼロ配当もあり得る」





投資先の含み益で好業績を上げてきたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
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 ソフトバンクグループ(SBG)は18日、令和2年3月期の連結最終損益が9615億円の赤字(前期は1兆4111億円の黒字)になったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に景気が悪化し、成長の軸としていたファンド事業で投資先の企業価値が大幅に目減りして、巨額損失を計上した。

 SBGが最終赤字になるのは15年ぶりで、過去最大の赤字幅となった。本業のもうけを示す営業損益は1兆3646億円の赤字(同2兆736億円の黒字)。

 会見した孫正義会長兼社長は3年3月期について「上場以来初めて配当方針を未定とした。ゼロ配当もあり得る」と先行き不透明感の強さを指摘した。

 約10兆円を運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」で2年3月期に計上した損失は約1兆9千億円にのぼる。SVFでは29年の設立以来、8兆8千億円を投資しているが、孫氏は累計の投資損益が1千億円のマイナスに転じたことも明かした。

 一方、資産売却で4兆5千億円の資金を確保した上で、自社株買いと財務の改善に充てる算段をつけており「コロナ危機の中でより安全運転を試みている」とした。

 新型コロナがSVFの投資先に及ぼす影響については「88社のうち、15社くらいは大きく成長するが、15社くらいは倒産するのではないかとみている」との見解を示した。

 また、SBGは同日、中国アリババグループの創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が6月25日付で取締役を退任すると発表した。



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