さまざまな需要に対応し、放送から医療に至る独創的なイメージセンサー開発、製造で事業進展を図るブルックマンテクノロジ。委託開発にとどまらず、特長あるセンサーデバイスの販売拡大による成長戦略を描く青山聡社長に聞いた。(那須慎一)
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--なぜ起業したか。また企業理念は
「当社は、現会長である静岡大の川人祥二教授が中心となって取り組んだ文部科学省のプロジェクト『浜松地域知的クラスター創成事業』の成果を元に、平成18年に設立された静岡大発ベンチャーです。大学で培われた技術をベースに、半導体技術開発会社として、イメージセンサーというデバイスを通じ、『誰もできなかったこと、誰もやらなかったこと』にチャレンジし、日本の半導体業界を活性化させたい、という強い思いを持って創業しました」
--現在注力している事業内容や主なターゲットは
「設立以来、多様なニーズに応じたイメージセンサーを開発する企業として、今の世の中にないものの開発業務に延べ60件以上携わってきました。その適用分野は8Kスーパーハイビジョンカメラに代表される放送用途から、宇宙、医療、科学計測に至るまで多岐に渡っています。また、こうした特殊で高い性能が要求される産業分野に向けては、超高速度、超高感度といった特長あるセンサーを自社で開発、販売を行っています」
「さらに近年は、距離画像センサー(3Dセンサー)という新しいデバイスの開発に注力しています。広い範囲の距離(奥行き)情報を、一度にかつリアルタイムで計測できる、という私たちのセンサーが持つ強みを生かし、スマート家電やゲーム機器、拡張現実(AR)/複合現実(MR)分野への採用に向けたプロモーションを積極的に行っています」