【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は20日、ジュネーブでの記者会見で、拠出金の停止を恒久的に続けることを警告したトランプ米大統領の書簡ついて「受け取っており、内容を精査している」と述べた。テドロス氏は「私たちが直面している資金調達という困難な問題が解決することを望んでいる」と強調したが、具体的な対応策は示さなかった。
トランプ氏は18日、テドロス氏に書簡を送り、「WHOが向こう30日以内に具体的な改革を果たさない限り、拠出金の一時停止を恒久的に続ける」と警告したことをツイッターで発表。同時に「米国のWHOへの加盟も再考することになる」とし、脱退も視野に入れていると明らかにしていた。
テドロス氏は、WHO年次総会が19日、新型コロナウイルス対応に関する独立した検証作業を求めて採択した決議にも言及。「可能な限り早い時期に実施したい」と語ったが、詳細な時期は説明しなかった。全会一致で採択されたこの決議は欧州連合(EU)が主導したもので、日本などのほか、中国も共同提案国に加わっていた。