【北京春秋】グローバル化も矯正か

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 最近、北京で歯列矯正の治療を受け始めた。世界的に普及が進んでいるマウスピース矯正だ。40代半ば、白髪が増えても頭髪が薄くなっても「ままよ」とばかりに自らの容姿は諦観してきた。だが、歯並びの悪さをなんとかしたいという少年期からの拘泥は消えず、実行を思い立った。

 中国の病院に通うことには漠然とした不安がある。ましてや歯医者なんてまっぴらごめんだと思っていたが、実際に治療を受けてみると、若い医師たちの対応は丁寧で誠実だった。

 マウスピース矯正は米アライン・テクノロジー社が開発した。中国の歯科医師が患者の歯型データを米本社に送り、独自ソフトウエアで治療シミュレーションを行う。そこから医師が北京で治療計画を策定し、四川省の工場でマウスピースが作られ、北京に届く。グローバル化を体現したシステムといえる。

 「後発の中国企業が開発したマウスピースも選べますよ。効果は劣るが安い」。医師の説明も、米中経済の縮図だと感じさせた。

 アライン社は中国の巨大な潜在市場に期待していた。だが、新型コロナウイルスの問題を受け、米国には中国経済とのデカップリング(切り離し)の動きがある。コロナ後にグローバル化が“矯正”の憂き目にあわないともかぎらない。(西見由章)

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