紛争、汚職、コロナ…正念場のウクライナ大統領 就任から1年

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20日、キエフで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領(大統領府提供・共同)

20日、キエフで記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領(大統領府提供・共同)

 【モスクワ=小野田雄一】ウクライナで喜劇俳優出身のゼレンスキー大統領が就任してから1年が過ぎた。東部での親ロシア派武装勢力との紛争終結や汚職撲滅、経済再生を公約に掲げ、国民の熱烈な支持を受けて一躍、国のトップに就いたゼレンスキー氏。しかし、紛争終結に向けたロシアとの和平交渉は停滞し、汚職対策の実績も見えづらい。新型コロナウイルスの感染者も1万8千人を超え、正念場を迎えている。

 ゼレンスキー氏は20日、就任1年の記者会見で「仕事は大変だ。誰も感謝してくれない」と吐露。その上で「国民が支持すれば2期目も考える」と語り、プーチン露大統領との会談を通して東部紛争の解決を目指す方針を改めて示した。

 同国の独立系調査機関「ラズムコフセンター」によると、就任時に80%あった支持率は1年間で57%まで低下した。当初は既存エリート層への失望や厭戦(えんせん)気分がゼレンスキー氏への期待を高めたが、熱気が冷めるのは早かった。

 2014年からの東部紛争では、ロシアの軍事支援を受ける親露派とウクライナ軍の戦闘で1万3千人以上が死亡した。ゼレンスキー氏は昨年12月、プーチン氏とパリで会談し、年内の完全停戦で合意したが、戦闘はその後も続く。

 両国は東部に「特別な地位」を与えることで合意しているが、具体策で対立。東部での施政権回復を目指すウクライナに対し、ロシアは事実上の連邦制を導入させ、ウクライナの欧米接近を阻止する思惑だ。双方に歩み寄りの気配はなく、ゼレンスキー氏の「対話方針」は行き詰まっている。

 ウクライナの積弊である公職者の腐敗にも国民の目が厳しい。ゼレンスキー政権は国会議員の不逮捕特権を撤廃。国家汚職対策局の独立性と権限を強化し、腐敗の温床と指摘されてきた検察当局やエネルギー業界の構造改革にも着手した。

 だが、3月末には大統領府長官の弟に賄賂要求疑惑が出るなど火種は足元にもくすぶる。ゼレンスキー氏は今月、ジョージア(グルジア)のサーカシビリ元大統領を国内改革に関する諮問機関の幹部に招(しょう)聘(へい)する策にも打って出た。

 低迷が続く経済は当面、国際通貨基金(IMF)頼みだ。ゼレンスキー氏は4月末、IMFが支援の条件としていた農地売買解禁法に署名。大資本による土地占有を懸念する国内の反発を押し切って決断した。IMFが求める金融改革法案も近く成立する見通しだ。

 ゼレンスキー氏はIMFから80億ドル(約8500億円)の融資を受け、経済再建に弾みをつけたい考えだ。だが、コロナに伴う外出制限の影響もあり、今年の国内総生産(GDP)は4~7%の減少が見込まれている。

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