コロナ克服へ社会変革 「3密」回避 経済 正念場続く

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新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で緊急事態宣言の全面解除を発令する安倍晋三首相=25日午後、首相官邸(春名中撮影)

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で緊急事態宣言の全面解除を発令する安倍晋三首相=25日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は、4月7日に発令した緊急事態宣言を約1カ月半で全面解除にこぎつけた。宣言の法的根拠である改正新型インフルエンザ等対策特別措置法は、首相に強制力を伴う権限を与えていない。それにもかかわらず、人と人との接触を「最低7割、極力8割」減らすよう求める首相の訴えに多くの国民が理解を示し、不要不急の外出を控え、休業要請にも応じた。

 欧米諸国では、早い時期に都市封鎖(ロックダウン)にまで踏み切ったが、死者数は米国で9万7千人を超え、英国やイタリアでも3万人を上回り、800人超の日本よりも圧倒的に多い。「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた」(首相)事実は率直に評価していい。

 とはいえ、首相の政権運営は今後も正念場が続く。経済活動は段階的に緩和されるが、新型コロナウイルスの世界的流行で国際社会は持久戦を強いられ、日本経済の後遺症も長引く可能性があるためだ。

 人々の行動様式はこれまでとは大きく変わる。多くの人が集まる場所には行かないなど「3密」回避を基本とした行動が定着する。需要が落ち込んだ自動車などの耐久消費財の回復は緩やかなペースにとどまるだろう。休業や時短勤務で所得が減った家計が消費を抑えれば、企業の売り上げは減り、生産の縮小を余儀なくされる。先行きへの不安から企業の賃上げは慎重姿勢が強まるとみられる。

 首相は今後とりまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に、コロナ収束後の社会変革の方向性を示すとしているが、課題は山積している。緊急性が高い現金給付や中小企業への資金繰り支援など政府は矢継ぎ早に対策を打ち出したが、行政のペーパーレス化の遅れで支給に手間取った。

 遠隔医療やオンライン授業、在宅勤務など、人と人との接触を減らしながら社会システムを維持し、経済を好転させるには生活基盤のデジタル化が急務だ。コロナの再流行と自然災害の同時発生という最悪の複合災害に備えた危機管理体制に加え、経済全体へのダメージ回避に向けた東京圏への一極集中から地方分散型の国土への転換など、大胆な構造改革も欠かせない。

 首相は4月17日の記者会見で「皆さんの力で未来を変えてください」と呼びかけ、国民が結束してその要請に応えた結果、宣言の全面解除に至った。コロナ危機の克服に向けて未来の日本を変えられるか。今度は首相の力が問われる番だ。(小川真由美)

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