首都高速道路の法定速度を大幅に超え走行したなどとして、警視庁が道交法違反(速度超過)の疑いで、東京都内の大学生の男ら4人を近く書類送検する方針を固めたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。首都高を周回して速度を競う「ルーレット族」とみられ、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で外出の自粛が要請される中、「気晴らしに来た」などと容疑を認めているという。
捜査関係者によると、男らは緊急事態宣言が発令された4月7日以降、首都高環状線で法定速度を50キロ以上超えて走行するなどした疑いがもたれている。
警視庁の事情聴取に対して、緊急事態宣言で外出自粛が呼びかけられ、「首都高が閑散としていると聞いて走りに来た」「自粛の気晴らしにきた」などと供述しているという。昨年後半から同様の違反走行を繰り返していた可能性があり、うち1人は80キロ以上超過して走行していた疑いもあるという。
ルーレット族は、法定速度が時速50~60キロの首都高を高速で周回して速さを競うなどしており、時速200キロの猛スピードで危険走行する車や、違法改造車なども存在するという。
外出自粛要請を受け、国土交通省によると、首都高では今月10日、交通量が速報値で前年の44%まで減少した。交通量が減りスピードを上げる車が増えたとされ、警視庁は2日、東京都江東区の辰巳第一パーキングエリア(PA)を拠点に取り締まりを行い、ナンバー隠蔽など11件の違反を摘発した。
捜査関係者によると、緊急事態宣言解除に前後し、首都高周辺で車の騒音を訴える通報など増えており、ルーレット族の活動活発化を警戒している。警視庁幹部は「ルーレット族にあおられるなどしても法定速度を守り、冷静に走行してほしい」と呼びかけている。