令和元年の漁業・養殖業 最低の生産量を更新


 農林水産省が28日発表した漁業・養殖業の生産統計によると、令和元年の漁業・養殖業の生産量は前年比5・8%減の416万2800トンで、統計上比較可能な昭和31年以降での最低を2年ぶりに更新した。漁獲量が比較的多いサバ類やサンマなどの減少が響いた。

 ピーク時の昭和59年(1281万6千トン)と比べて7割近く減った。近年は、気候変動に伴う海水温の上昇などが逆風となり、漁業・養殖業の生産量は減少傾向が続く。前年の平成30年は6年ぶりに増加に転じていたが、令和元年の減少率は平成28年(5・9%減)以来の大きさとなった。

 海面で営む「海面漁業」の漁獲量は4・8%減の319万7千トンと、2年ぶりに減少。主な魚種別では、サバ類が17・9%の大幅減で、カツオも5・9%減。一方、マイワシは2・5%増で、ホタテ貝は11・4%増、スケトウダラは20・6%増となった。サンマとサケ類、スルメイカは昭和31年以降で最低となった。

 海面での養殖業の収穫量は9・2%減の91万2400トン。魚類は0・9%の微減だった半面、カキ類やホタテ貝といった貝類が13・0%減、ノリ類やワカメ類などの海藻類が11・5%減となったことが響いた。



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