【主張】米の香港優遇撤廃 「自由の砦」を日本も守れ

[ad_1]

 トランプ米大統領が、香港の自治を奪う国家安全法導入を決めた中国に対して厳しい対抗措置を打ち出した。香港に認めてきた優遇措置の撤廃に向けた手続きを進め、国家安全法導入に関与した中国や香港の当局者には制裁も科すという。

 中国は国際公約である香港の「一国二制度」を踏みにじっており、これを前提とする優遇の撤廃は理に適(かな)う。

 習近平政権の「自由圧殺」から香港を守るため、民主主義や法の支配などの価値を香港と共有する日本や欧州も、米国と結束し同法撤回を迫らなければならない。

 デモや新聞・出版による民主化要求を罪に問える同法は早ければ来月中に施行される。香港市民に残された時間が少ないことを認識しておかなくてはならない。

 トランプ氏は世界保健機関(WHO)についても「中国が完全に支配している」として脱退を宣言した。米国は最大の資金拠出国である。新型コロナウイルスを封じる国際対応への影響が懸念されるが、これを避けるには、WHOがまず、親中的な言動が目立つテドロス事務局長の更迭を含む改革で中立性を取り戻すべきだ。

 米国は、1997年の香港返還後も関税やビザ(査証)発給、金融や証券取引などを中国本土より優遇してきた。だが、それは中国が高度な自治の維持を国際社会に約束したからである。

 トランプ氏が言う通り、一国二制度を「一国一制度」に変えたのは習政権だ。優遇撤廃で企業活動に支障が出るとしても、米国による再三の警告を中国が無視する以上、仕方あるまい。

 ジョンソン英首相もトランプ氏との電話会談で、一国二制度方式による返還を定めた中英共同宣言の義務に反すると批判した。両首脳はトランプ氏が議長を務める先進7カ国(G7)首脳会議で議論する重要性でも一致した。

 同感である。香港が国際金融センターであり続けるのは、自由な金融・商取引を保証する普遍的価値が一国二制度で保たれてきたからだ。日本の経済界もその利益を長年享受してきたのである。

 にもかかわらず、安倍晋三政権が強く非難しないのはどうしたことか。習氏の国賓来日にこだわっているためだとすれば問題だ。日本は欧米と同様、習政権に脅かされる「自由の砦(とりで)」を守り抜く責務があることを銘記すべきだ。

[ad_2]

Source link