SNS上でイタリア人船員を装って女性に近づき、多額の現金をだまし取ったとして、兵庫県警組織犯罪対策課は2日、詐欺などの疑いで東京都台東区、中国籍の職業不詳、劉平原容疑者(41)を逮捕、送検したと発表した。言葉巧みに外国人に恋愛感情を抱かせる「国際ロマンス詐欺」の手口で、被害総額は1億円を超えるとみられる。
県警によると、女性は昨年11月、SNS上でイタリア人船員を名乗る人物と知り合った。船員役は「日本で一緒に住みたい」とハートマークを多用して言い寄り、女性に約900万ドルの現金や金塊などのプレゼントを贈ったとしたが、「タイの税関で止まったため送料や解除料が必要」と送金を要求。女性は同12月以降、7回に分けて日本の金融機関の指定口座に計約1億1300万円を振り込んだ。結局何も届かず、3月に県警に相談した。
劉容疑者は現金を引き出す「出し子」とみられ、「違法なお金と思わなかった」と容疑を否認している。
送検容疑は船員を名乗る人物らと共謀して昨年12月~今年2月、女性から約8800万円をだまし取ったとしている。