世界銀行は2日、新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響は新興国が特に大きいと強調し、投資抑制やサプライチェーン(部品の調達・供給網)の混乱などによって「長期的なダメージを残す可能性がある」と懸念を示す報告を公表した。
世銀は報告書で、新型コロナの世界的流行と封じ込め策の外出制限が経済活動の停滞を招き「深刻な景気後退を引き起こした」と説明。貿易や観光に依存する新興国はより大きな打撃を受けていると分析した。
失業者の急増や貿易量の減少など悪影響は幅広い分野に及び、潜在的な成長や労働生産性の低下につながると指摘。状況を改善するには医療態勢の拡充に加え、教育やビジネス環境の整備など「包括的な改革」に取り組む必要があると訴えた。
また新型コロナの感染拡大で、2020年の原油需要が9%減少するとの見方を示した。(共同)