立民、独自候補擁立できず 遺恨も小池圧勝ムードにのまれ





東京都知事選への立候補について記者会見する宇都宮健児氏=5月27日、東京都内
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 東京都知事選で立憲民主党は独自候補の擁立を断念し、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)を支援する方針を固めた。4日の党会合で正式決定する。立民は旧希望の党を率いた小池百合子知事の方針に反発して平成29年に生まれた経緯もあり、主戦論が根強かったが、“小池圧勝ムード”にのまれ、対抗馬を立てることができなかった。

 立民は1年以上前から準備を進め、参院東京選挙区選出の蓮舫副代表やれいわ新選組の山本太郎代表らの擁立を検討してきた。都知事選は地方選の中でも圧倒的に注目度が高いうえ、「立民結党の一丁目一番地は小池氏と対峙(たいじ)するところから始まった」(国民民主党幹部)ためだ。

 だが、新型コロナウイルス対応で小池氏に注目が集まる中、都連が行った世論調査の結果なども踏まえ、最終的に宇都宮氏への支援に傾いた。立民幹部は「以前から宇都宮氏のような実務家がいいと思っていた」と強がったが、野党第一党として対抗馬擁立で主導権を発揮できなかった。

 むしろ宇都宮氏は共産党と政策や政治姿勢が近く、共産の穀田恵二国対委員長は3日の記者会見で、立民の宇都宮氏支援を「心から歓迎したい」と述べた。

 一方、国民の玉木雄一郎代表は同日の記者会見で、「宇都宮氏を推薦する予定はない。党として組織立って応援することはしない」と明言した。立民と国民を支持する連合東京は小池氏支援に回る見通しで、野党の足並みの乱れが顕在化した。(千田恒弥)



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