東京アラート実効性は 休業要請対象の店で感染拡大



「東京アラート」が発動された翌日の新宿・歌舞伎町の歓楽街=3日午後(桐山弘太撮影)
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 新型コロナウイルスの感染再拡大の兆候があるとして、東京都が「東京アラート」を発動した要因の一つに、休業要請対象の接待を伴う飲食店での相次ぐ感染がある。休業要請には罰則がなく、緊急事態宣言の後ろ盾もない中では実効性の限界も見えてきた。感染第2波抑止のため幅広い休業再要請に踏み切った場合も同様の課題を伴うとみられ、都は東京アラートで危機感の共有を図って封じ込めを目指す。

 都は緊急事態宣言解除を受け、休業要請に関して「ロードマップ」(行程表)に基づいて第1段階、第2段階と緩和を進めてきたが、街中では休業要請対象の接待を伴う飲食店やパチンコ店などが営業する光景がみられる。

 都の休業要請は、緊急事態宣言の有無にかかわらず実施できる改正新型インフルエンザ等対策特別措置法24条に基づいている。緊急事態宣言下では要請に応じない事業者に対して店名公表を伴う同45条の休業要請に踏み切ることが可能となり、実際にパチンコ店に適用された。いずれも罰則はないが、24条はより「お願い」の色合いが濃い。

 都庁内では以前から、緊急事態宣言が解除された後の休業要請の実効性が課題として指摘されていた。幹部は「新規感染者数が減る中で警戒感も薄れる。期間が長引くほど要請への協力は得にくくなる」と話す。


東京アラート実効性は 休業要請対象の店で感染拡大
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 東京アラートを経ても感染状況が悪化した場合、幅広い業種・施設に対して特措法24条や都独自の休業再要請を実施することが想定されている。ただ事業者は感染リスクのある密閉・密集・密接の3密回避に向けて取り組んでおり、幹部は「一度緩めた要請を再度、強めた場合に理解、共感を得られるか課題だ」と分析。都関係者は「東京アラートで感染を抑止し、再要請を回避することが最善だ」と指摘する。



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