「本当に失望」WHO脱退決めた米国非難 WHOナバロ特別代表インタビュー





デビッド・ナバロ特別代表

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)のデビッド・ナバロ特別代表が4日までに、産経新聞の電話取材に応じ、トランプ米大統領がWHOから脱退する意向を示したことについて、「世界が新型コロナウイルスの感染拡大という巨大な危機の真っただ中にあるときに本当に失望した」と非難した。一方で、WHOの新型コロナの対応について「批判される覚悟はできている」とも語り、独立した検証を受け入れる姿勢を強調した。コロナ対応の評価に関しては「検証の結果を待つ」と述べるにとどめた。

 --WHOの新型コロナの対応を批判してきたトランプ氏が脱退を表明した

 「優秀な科学者や疫学者を抱えた米国が、脱退を決意したことは本当にがっかりした。米国が(WHOとの)適切なパートナーではない状態で、世界が新型コロナの問題に対処しなければならないことは非常に悲しい。大規模な火災の消火活動を行っている最中に、多くの消防車を失うようなものだ」

 「私たちは、新型コロナ問題の解決後、(これまでの対応について)批判される覚悟はできている。誰も新型コロナの出現を望んでいなかったので、WHOは責任を問われることが予想される。しかし、それは世界が最悪の状態から脱した後の話だろう。なぜ、私たちが新型コロナの対応に取り組んでいる時期に脱退を決定したのか? と思う。WHOは(脱退を翻意させるために)トランプ氏と対話すべきだ」

 --WHOは1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。中国に配慮したあまり、宣言の時期が遅れたとの批判もある

 「新型コロナが発生した初期の段階でWHOが取った全ての行動を調べてくれるのはとてもうれしいことだ。WHOの新型コロナ対応については検証が今後、実施される。その検証の結果を待ちましょう」

 --WHOの年次総会に台湾がオブザーバー参加できないことについても批判されている

 「WHO事務局は台湾の科学者と常に新型コロナの対応で協力しているが、運営組織である加盟国が台湾をオブザーバー参加させるための合意をしていない。テドロス事務局長は加盟国の指示を受けて働いている。台湾のオブザーバー参加をめぐりテドロス氏に大きな圧力がかけられているようだが、この問題はテドロス氏には関係がない」

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