【新型コロナ】ブラジル、感染・死者数の累計公表を中止 「情報操作だ」と批判噴出





6日、ブラジル・リオデジャネイロで新型コロナ感染症による死者のひつぎを運ぶ人たち(ロイター=共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染者が急増している南米ブラジル政府は6日、感染者や死者の累計数の公表を取りやめた。経済活動を重視するボルソナロ大統領の新型コロナ対策には国内外から批判が集まっていることから、公表データを限定して政権批判をかわす狙いがあるとみられる。

 これまで保健省のホームページでは感染者や死者の累計数のほか、10万人当たりの致死率などを公開。現在は、新型コロナから回復した人数や、過去24時間の感染者や死者数のみを提示している。

 米メディアによると、保健省の幹部は、地方自治体が予算を獲得するため、感染者や死者を過大に報告していると説明。また、新型コロナを「ただの風邪」と呼ぶボルソナロ氏はツイッターで、感染者数などの累計の公表は、大部分が回復しているブラジルの現状を示していないと主張した。

 だが、ブラジル国内では「コロナ対策の失敗から目をそらすための情報操作だ」との批判が噴出。同国では5月以降、大都市の貧困街などで感染が急拡大し、米ジョンズ・ホプキンズ大の6月7日の集計によると、感染者は69万人を超え、米国に次いで2番目に多く、死者は約3万6000人で米英に続き3番目となっている。



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