【ワシントン=坂本一之】トランプ次期米大統領は12日、国防長官に退役軍人で保守系のFOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏を起用すると発表した。一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は同日、トランプ氏の政権移行チームが、「指導力に欠く」と判断した米軍幹部の解任を勧告する委員会を設立する大統領令を検討していると報じた。
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トランプ氏は声明で、ヘグセス氏の国防長官起用に関し「タフで賢明で米国第一の真の信奉者だ」と説明し、「再び米軍が偉大になり、米国が決して引き下がらない」ことを示すと強調した。
同氏のホームページによると、同氏は元陸軍州兵でイラクやアフガニスタンなどでの任務経験がある。プリンストン大を卒業し、ハーバード大ケネディスクールで修士を取得した。
また、ウォールストリート・ジャーナルが入手した政権移行チームの草案によると、退役軍人らで構成する「戦士委員会」が設立され、中将や大将の指導力や献身性などを審査する。
委員会は解任の勧告権限が与えられ、不適格と判断された幹部は30日以内の退役を求められる。委員会の設置によって解任を迅速に進めることができるようになる。
同紙は米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長が標的となる恐れがあるとしている。またトランプ氏は、2021年にアフガンから駐留米軍が撤収し混乱を招いたことを批判し、撤収に関与した司令官らに辞任を求める考えを示していた。