【ニュースルーペ】府中市官製談合逮捕1週間 市議ら執拗に漏洩迫ったか

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【ニュースルーペ】府中市官製談合逮捕1週間 市議ら執拗に漏洩迫ったか

 東京都府中市が発注した工事をめぐる官製談合事件では、長年付き合いのあった地元業者らの依頼を受けた現職市議2人がそれぞれ個別に市幹部に価格情報を漏らすよう執拗に迫っていた構図が明らかになってきた。一方、幹部がなぜ漏洩を決断したのか、明確な動機や背景には謎が残る。いずれの容疑者も説明には曖昧な点が多いといい、警視庁捜査2課は、幹部と市議らとのメールのやり取りなどの分析を進め、当時の詳しい経緯を調べる。

「腹立たしい」

 事件は市議らの逮捕から9日で1週間が過ぎた。

 今回、最低制限価格が漏洩した2件の工事のうち1件は、東京五輪のロードレース競技用の道路の新設工事だった。現場は府中市浅間町で、テニスコートなどのスポーツ施設やバーベキュー場を備える「府中の森公園」の近くを通る。緑が豊かで、ジョギングをする市民も多い。

 昨年9月、指名競争入札で府中市住吉町の土木会社「池田土木」がこの工事を落札した。同社代表取締役の池田伸夫容疑者(48)=公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕=は、市議の臼井克寿容疑者(44)=同=を通じ、当時市都市整備部長だった塚田雅司容疑者(56)=官製談合防止法違反容疑で逮捕=から価格情報を入手。まったく同額の約5400万円で落札した。

 「完全に一致していたとは言語道断。腹立たしいことこの上ない」と語気を強めるのは、入札に参加した市内の別の業者。「この道路は、入札の約1年前に五輪のコースになると決まっていた。ただの道路工事とはやりがいも違うし、各社とも落札したい気持ちは強かった」と振り返る。

会派会長経験者

 もう1件の工事も、ごく僅差での落札だった。

 同市四谷の多摩川のほとりにある「四谷さくら公園」の拡張工事で、「府中植木」が昨年8月、最低制限価格約1億1000万円に対して、わずか9円差で落札に成功した。このときの価格情報は、塚田容疑者から市議の村木茂容疑者(73)=公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕=に渡り、同社代表取締役の田中善雄容疑者(75)=同=が落札する流れだった。

 この公園では、平成30年に入札があった別内容の工事を池田土木が落札。差額は470円とわずかで、捜査2課は当時の経緯についても注目している。

 市議2人はどんな人物だったのか。

 自身の公式サイトなどによると、いずれも市議会自民党会派に所属。村木容疑者は15年に初当選した5期目で、かつて会派会長も経験。今年1月の市長選では高野律(のり)雄(お)市長の選対本部長を務めた有力者だった。

 一方の臼井容疑者も23年に初当選後、26、28年に市議会建設環境委員長、昨年度は会派会長を担っていた。浅間町の道路工事入札を4カ月後に控えた同5月には、会長就任にあたって会員制交流サイト(SNS)上で「市議会第1会派として他会派との連携も進め、充実した議会運営に努めてまいります」などとつづっていた。

副市長に“自首”

 「東京五輪の影響で予定価格内で落札されない工事が多くなっていた。順調に工事を進められるよう市議らに価格を漏らした」

 市によると、2件の工事の落札結果が不自然だとして市側の内部調査が始まる直前の昨年9月、塚田容疑者が副市長に関与を認め、動機をこう打ち明けた。これまでの捜査2課の調べにも同趣旨の供述をし、容疑を認めている。

 ただ、捜査関係者は「何かしら実質的な見返りがあった」とみており、供述内容を疑問視。市議2人についても、「昨日と今日で言っていることが違うような状態」といい、メールの分析などで慎重に裏付けを進めている。

 市の内部調査では、現職やOBの複数の市幹部職員が、市議2人から入札情報を要求されたことがあると回答した。全員、「(価格情報は)伝えていない」としており、打診を断られた市議2人が塚田容疑者にすり寄った可能性もある。

(千葉元、中村翔樹)

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