トランプ米大統領は13日、東部ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校の卒業式で演説し、白人警官による黒人男性暴行死事件で全米に拡大した抗議デモへの対応を念頭に「街の平和と安全、法の下の秩序を守ってくれた州兵に感謝する」と述べた。今後の対処方針をどう説明するか注目されたが、言及はなかった。
デモ対応を巡り、強硬路線のトランプ氏に、エスパー国防長官や米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長らが懸念を示し、大統領と軍の意見の相違が顕在化。マティス前国防長官ら元軍高官からも、トランプ氏による「軍の政治利用」などと非難の声が相次いでいる。
米メディアによると、卒業予定の士官候補生ら約千人は3月、新型コロナウイルス感染拡大を受け自宅に帰っていたが、トランプ氏が4月、卒業式で演説する意向を唐突に表明。士官候補生らは呼び戻され、2週間の自主隔離を行ってきた。(共同)