バンス副大統領、川遊びで水位調整か?米当局の釈明と批判の背景

米国のバンス副大統領が地元オハイオ州の川で余暇を楽しむために、米当局が水位を調整したとの疑惑が浮上し、米欧メディアが報じています。これに対し、当局は「警備上の理由」と釈明していますが、英紙ガーディアンは、トランプ政権が「政府効率化」を掲げ公共サービスを削減する中で、「インフラを私的な娯楽に利用した疑いがある」と厳しく批判しています。この事態は、公的資源の利用に関する議論を巻き起こしています。

浮上した「水位調整疑惑」の具体的内容

報道によると、バンス副大統領は41歳の誕生日を祝うため、8月2日に家族と共にオハイオ州の川へカヤックなどの川遊びに出かけました。この私的な外出に先立ち、大統領警護隊(シークレットサービス)が、川の水位を調節するための手続きを行ったとされています。一部では、警備上の必要性だけでなく、「カヤックに理想的な条件」を整える目的も含まれていたとの指摘が出ています。この疑惑は、公務と私的活動の境界、そして公的機関の役割について、疑問を投げかけています。

シークレットサービスと陸軍工兵隊の公式見解

この疑惑に対し、シークレットサービスは8月7日、事態の経緯を説明しました。彼らの発表によれば、事前に現場の状況を確認した際、船が川底に座礁する事態が発生したため、一時的に湖から川へ流れる水量を増やすよう陸軍工兵隊に要請したとのことです。シークレットサービスは、この水位調整が警備上の安全を確保するために不可欠であったと強調し、副大統領の安全確保が最優先であったことを示唆しています。

米中西部オハイオ州でのバンス米副大統領。川遊びのための水位調整疑惑が報じられています。米中西部オハイオ州でのバンス米副大統領。川遊びのための水位調整疑惑が報じられています。

批判の背景:トランプ政権下の「政府効率化」

今回の水位調整疑惑は、単なる私的な行事への便宜供与以上の文脈で議論されています。特に、英紙ガーディアンは、トランプ政権が「政府効率化」を名目に公共サービスの削減を進めている現状を指摘し、その一方で政府のインフラが特定の個人の私的な娯楽のために利用された可能性があるとして、倫理的な問題と矛盾を批判しています。この指摘は、政権が掲げる政策と、高官の行動との間に乖離があるのではないかという、より大きな政治的議論に発展しています。

まとめ

バンス米副大統領の川遊びを巡る水位調整疑惑は、米欧メディアで広く報じられ、米国内で物議を醸しています。シークレットサービスは警備上の理由を挙げていますが、公的資源の私的利用に対する批判の声も大きく、トランプ政権の政策と高官の行動との整合性が問われる形となっています。今後の調査や世論の反応が注目されます。


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