政府は16日、令和2年版土地白書を閣議決定した。人口減少が加速し、空き地や管理の行き届かない土地が増えているとして、自治体や所有者以外の地域住民が有効活用したり、管理を代行したりする取り組みが重要と強調している。
白書は、ごみ投棄や草の伸び放題など、住民から土地管理に関する苦情を受ける市町村が増えていると指摘。
利用しない土地の所有者へのアンケートによると、管理しない理由は「遠方にあり、わざわざ行くことに負担を感じる」が42%と最多で、「草刈りなど管理作業に身体的に負担を感じる」が14%で続いた。
白書は土地所有者に代わる管理者の確保が有効と指摘。ふるさと納税の返礼品として寄付者の空き地の草刈りをしたり、無償で提供してもらった空き地を雪捨て場として使ったりしている自治体を紹介した。
一方、空き地や管理不全の土地が増えた背景には国民の意識変化もあると指摘。土地が預貯金や株式などに比べて有利な資産と考える人は、昨年度は27%にとどまり、調査を始めた平成5年度以降、最低だった。