主人公は、当選5期の小川淳也衆院議員(49)。「官僚では社会を変えられない」と総務省を辞め、家族の猛反対を押し切って平成15年の総選挙に出馬。地盤、看板、カバンなしで始めた選挙戦。大島新(あらた)監督はその時からカメラを回し始め、17年間にわたり、一人の政治家の苦闘と挫折を記録し続けた。
「その記録を映画として発表することによって、日本の政治の一断面を社会に問いたい」という監督。どんなに崇高な志も、利権や党利党益が優先される政界の中では無用の長物なのか。そんな葛藤が描かれる。東京・ヒューマントラストシネマ有楽町などで公開中。大阪・シネマート心斎橋などで全国順次公開。1時間59分。(啓)
★★★☆
(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)