【パリ=三井美奈】イタリアの政府機関「高等衛生研究所」(ISS)によると、同国北部ロンバルディア州で昨年12月に新型コロナウイルスが存在していたことが分かった。同州で最初の患者が確認される約2カ前に当たる。
ISSが18日、調査結果で明らかにしたもの。昨年10月~今年2月、各地で採取された下水を調べたところ、同州のミラノ、同国北部ピエモンテ州トリノの両都市で昨年12月18日に採取されたサンプルからウイルスのRNA(リボ核酸)が見つかった。10~11月に採取されたサンプルでは見つからなかった。
RNAはロンバルディア州の南隣エミリアロマーニャ州ボローニャで今年1月29日に採取されたサンプルからも見つかった。ISSは「今回の発見は、イタリアでの感染拡大の発端を探る一助になる」としている。
欧州では伊ロンバルディア州で今年2月21日、最初の集団感染が発表されたのに続き、各国でウイルス感染が広がった。フランスでは5月、昨年12月末にパリ郊外で入院した肺炎患者が感染していたことが発覚しており、「ウイルスが2月以前から欧州に存在していたのではないか」との見方が広がっている。